ユニヲンジャック

外出た/瞬間/やっていくしかない

逆にどうしてメイドカフェに行かないのか (#445)

テキスト

昔の人は言いました、

「馬には乗ってみよ、人には添うてみよ、メイドカフェには行ってみよ」

というわけで、行きました。

入店した瞬間「ご帰宅料500円」の文字が目に入って、「帰るのにも金が掛かるってどんな店だよ」と思ったのもつかの間、

「おかえりなさいませ!ご主人様」と迎えられてその意味を把握する。

なるほど、ここが家なのだ。帰宅料っていうのは要は席料なのだ。

じゃあ返すべき言葉があるだろうってことで「ただいま~」って言ったらスゲー苦笑いされました。順調!!

適当に選んだこの店は有名店ではなくゆるい感じで、メニューを悩んでいる間もいろいろ話しかけてくれる。

普通どんなの頼むんすかと聞いたら、

「常連さんが多いからドリンクが多いよ、萌え萌えキュン的なアミューズメント(と呼ぶらしい)は滅多に頼まれないよ」とのこと。えー。

でもやっぱりメイドカフェに来たのだからポイントを稼ぎたい、実績解除したい、トロフィー「アミューズメント」が欲しいじゃないすか。

ということで、

「じゃあ僕はツンデレドリンクで……」

「ツンデレ、ヤンデレ、デレデレがありますけどどれが良いでしょうか~?」

「ツンデレでお願いします……」

人生のうちで「ツンデレでお願いします」なんてセリフを発する機会があるとは思わなかった。みなさんはどうでしょうか?

同行した知人はお絵描きドリンクなるものを頼んで、メイドさんに「私これ描いたことないんだよな~」とか言われていた。ゆるい。

「というかそういうキャラなんですか?」って訊いたら「いや本当にこれ頼んだ人初めて見た」と割と素の反応をされました。

ツンデレドリンク到着。

バン、と机に叩きつけるように置かれる。

「はいこれ、何だっけ?」

「あんた、こんなのが飲みたかったの?」

「自分が何頼んだか分かってるワケ?」

怒涛のツン。返す言葉は、

「ツンデレドリンクです……」

なんか愚地独歩です、みたいな口調になってしまった。

「そう、ツンデレドリンク、恥ずかしくないの?」

結構ツンが長い。

「で、あんたこれに何して欲しいの?」

ここでまさかの自由回答形式。

「『美味しくなあれ』とかやってもらうの……?でもそれ別のアミューズメントじゃなかったか……?」などと無駄に考えて狼狽えてしまい、「えっじゃあ『召し上がれ』的な……」とかいう全然おもしろくない受け答えをする回答者。

そんな僕だったけれどメイドさんはニッコリ笑って、「はい、召し上がれ♡」とやってくれました。

そのとき僕は思ったね、

「デレ短くないすか」って。

その後は普通になにかしら楽しくお喋りをしてくれました。知人のお絵描きドリンクも普通に上手だったし、メイドさんは凄くフレンドリーに接してくれるので正直行く前は完全にアレしていたけれどハマる人の気持ちも分かるかもしれないなって。

ライトなキャバクラみたいだ。(行ったことないけれど)

基本的に常連さんで構成されていたのだけれど、常連の「濃い」感じの人も、なんかずっとゲームしてる人も、

そして僕のような普通の人も、凄く浮いていた同行者(実は女)も、全員フラットに受け入れてくれる優しい空間だった。今日は僕たちの勝ちです。

全ての偏見を持った人たちにもこの経験を伝えたい。

「馬には乗ってみよ、人には添うてみよ、メイドカフェには行ってみよ」

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