人間失格 / 太宰治
人間失格
太宰治
発行:1948年
なんすかこの表紙???
『人間失格』って「聞いたことあるけれど読んだことない」シリーズの筆頭だったので、謎の表紙だったけれど読みました。
主人公のモデルは太宰治本人なのだろう、生来の「生きにくい」性格ゆえに「世間」に怯えながらその顔色を伺って生きてきた半生を書いている。
主人公の異常なまでの人間不信の原因は飛び抜けた頭の良さにあるような印象を持ったのだけれど、確かに周りの人より多くのことが分かってしまう人間は生きていくのが大変だろうなあと僕はぼんやり思うのでした。
それでいて「こういう人もいるんだな~大変だな~〜」と他人事で終わらない力がこの作品にはあって、太宰だけじゃなく誰にでも当てはまってしまう人間のイヤな部分が色々描写されているんすよね。
例えば、周囲の機嫌をとるために「子供らしい純真さ」を演じる子供時代だったり、成長してからも場を白けさせないために不本意なおどけ方をしたり、それを笑う人たちを心の中で蔑んでしまったり、
こういうある種の「陰」の部分って誰しも0~100のグラデーションで持っていると思うのだけれど、より強い「陰」を内に秘めた人間に世界はどう写っているのか、その一端が覗けたような気がして居たたまれない気持ちになる。
ただ、島耕作並に女性にモテまくる描写も点在して、そういうのは要らなかったな~~~モテすぎて困るってなんだよToLOVEるかよ~~~って思ったのだけれど、
用を言いつけるというのは、決して女をしょげさせる事ではなく、かえって女は、男に用事を頼まれると喜ぶものだという事も、自分はちゃんと知っているのでした。
じ、上級者すぎる……
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