『虐殺器官』 の感想など (#374)
『虐殺器官』伊藤計劃
読んだので感想書きます。ネタバレはほぼ有りませんが、何も知らずに読みたい人は注意です。
世界観・ストーリー
1言で言うと「SF」
詳しく言うと、さまざまな技術が進化した近未来で、セキュリティ能力の向上と共にテロや計画的な殺人は激減した。けれど、それは裏返せば徹底した管理体制ということでもあった。
更に、テロが減った代わりに、何故か内戦や大国による一方的な虐殺は激増している。
主人公はアメリカの軍人で、虐殺に加担し、交わっていく中で、やがてこの世界のうねりの中心・核心に近づいていく。
感想
SF(サイエンス・フィクション)と言っても、全体的に突飛で魔法のような「フィクション」ではなく、リアルで、1つ1つは小さな「フィクション」を積み重ねるタイプのSFだったので、読んでいてとても疲れた。
というか、(Kindleのセールで買って)1度は挫折していたんだけれど、電子書籍の手軽さもあって少しづつ頑張って読み進められた感じです。
僕自身は別に戦争モノが好きなワケでも無く、序盤~中盤はあまりピンと来なかったところもあったのだけれど、全部読み終わると、頑張って読んだだけの価値はあったなあという感想。
ドンパチがテーマなので登場人物は死んだり生きたりするのだけれど、その生き様・死に様がそれぞれとても示唆的で強く印象に残った。
とにかく、最後まで読んではじめて筋が1本通るタイプの話なので(文体や雰囲気がおもしろいタイプの話では無いかな、というと語弊があるかもだけど個人的にはそう感じた)、もしこれから読むことを考えている人がいたら、頑張って最後まで読むか、もしくは合わない場合早めに撤退することをオススメします。
映画にもなる(はずだった)
2015年中にアニメーション映画になる予定で、そもそも映画化の予告から興味を持って読んだのだけれど、
制作会社、潰れました。
でも、調べたら制作は続けられているみたいだし、他にも映画化された『屍者の帝国』『ハーモニー』は、今から映画館で見るのはちょっと都合をつけにくい。
つまり、映画も含めて興味があるなら『虐殺器官』がちょうどいい!
公開されたときは誰か一緒に見に行きましょう(孤独)
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