『メメント』を観た (#461)
メメント / Memento
監督:クリストファー・ノーラン
公開:2000年
『メメント』を観ておもしろかったのでネタバレなしで感想文書きます。
ある日暴漢に遭った主人公は、妻を殺され、さらに自分は後遺症で10分間しか記憶が持たなくなってしまう。
そんな彼が、10分前の自分が残したメモを手がかりに妻の仇をとる、というシナリオ。
『博士の愛した数式』や『喧嘩稼業』の櫻井裕章を知っている人ならそれに近い症状ですね。
この映画がおもしろいのは、作中の時間の流れが逆行するように作られていているところ。
つまり、見つけ出した犯人を射殺するところから映画が始まって、射殺するに至ったシーン、犯人を特定するに至ったシーン、重要な情報を得たシーン……と、原因と結果を逆に、過去に遡る形で見せる展開になっている。
これがおもしろい。
当然、時系列が逆転しているので
「何が起きたん?」→「これが引き金かあ」
「こいつ誰だよ?」→「このとき会った人かあ」
と疑問と種明かしの連続にワクワクさせられるし、この小さな種明かしが積み重なることで見えてくる事件の真相にも「うわあ~~~」となってしまう。
さらに言えばこの結果→原因という構成自体が、記憶障害とメモで成り立っている主人公の視点を追う構成になっていることにも気づいて、この相乗効果が凄く凄い。
普通のミステリを後ろから見せるのとは一味違ったトリッキーさがあるのだ。
というわけで、良かったです。はい。
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