ユニヲンジャック

外出た/瞬間/やっていくしかない

ウ (#585)

テキスト

あなたの名前は「ウ」になりました、と言われたらどう思うだろうか。

おそらくあなたは納得しないハズだ。名前という生涯の伴侶が「ウ」で良いワケがないのだ。

しかしこの世にはそんなカスみたいな名前を背負わされている者たちがいる。

いや、幾ら鳥の名前とはいえ「ウ」はヒドいだろ。

「ウ」って何だよ「ウ」って。

決める係の人もどういうつもりなんだ。相当忙しかったのか、もうどうでも良くなる何かに遭った直後だったか、そのレベルでないと「ウ」とはならんだろう。

僕だったらどういう状況だろう、牛乳とかひっくり返してお終いになっているタイミングで「この鳥の名前つけてください(笑)」とかチャットが来たら「ウ」って送っちゃうかもしれない。

もしくは退会手続きの最後に「このサービスを辞める理由は?」「退会後も案内を送って良い?」「この鳥の名前は?」って必須のアンケートがあっても「ウ」って送っちゃうかもしれない。

つまりそういうことだ。

こいつらの分類「ウ科」だからね、どうして誰もおかしいと言い出さなかったんだ。

せめて「ア」とか「オ」とかならまだ分かる。なんとなく意味がありそうだから……

ただ、「ウ」はクソすぎる。

え、オレの名前「ウ」なんですか? って言わせたくないよ僕は。結構カッコ良いのに。

どれだけカッコ良くても、善行を積んでも、でもこいつの名前「ウ」なんだよな、ということになる。

「あのとき助けていただいたツルです」って言われたら「結婚しよ」になるけれど、

「あのとき助けていただいたウです」って言われたら「(笑)」じゃん、

やっぱりせめて、「あのとき助けていただいたオです」ならまだ……いやダメか……

しかしラインは確かにこの付近にある。超えちゃいけないラインのことを思うとき、脳裏に「ウ」の姿が浮かぶのだ。

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