『1Q84』は名作です (#484)
何を今さら、という感じなのだけれど、『1Q84』読み終わりました。
スゲーおもしろかった。ゼロ年代を代表する名作です。
以下ネタバレ無し。
そういうことをしますと、そのあとの日常の風景がいつもとは少し違って見えてくるかもしれません。でも見かけにだまされないように。現実というのは常にひとつきりです。
言ってしまえば「ボーイ・ミーツ・ガール」という小説の中でも超王道のジャンルに属する今作なのだけれど、
とにかく文章の上質さや心理描写の切れ味、キャラクターの魅力といった超基本の要素が凄く丁寧に仕上げられていて、改めて村上春樹凄いな~~~と。
横綱が横綱相撲を取りました、みたいな小説だった。好きな登場人物はふかえりです。「ネコのマチにいくヒツヨウがある」
村上作品は「文章は上手いけれど、内容の面では綺麗なオチが用意されているワケでもない(難解)」という印象が常にあるのだけれど、
この『1Q84』は先が気になるほど中身もおもしろくて驚いた。
「2つの視点の話が、やがて1つにまとまっていく」という村上春樹お得意の手法と、2人が迷いこんだ1Q84年の謎を解き明かしていく文脈がとてもマッチしていた。
というわけで、おすすめです。(2009年の小説)
ちなみに「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」というボーイ・ミーツ・ガールな短編も『1Q84』のエッセンスをかなり含んでいるのでこちらから入っても良い。
さらに言うと新海誠は村上春樹オタクなので作品を構成する文法がけっこう同じだと感じていて、広い意味で『君の名は。』も『1Q84』と言って良い。責任は取りません。
皆さんはボーイ・ミーツ・ガールですか?
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