ユニヲンジャック

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僕は自分の血液型を知らない (#351)

テキスト

みなさまの血液型は何型だろうか。

最も多いA型に始まり、B型、O型……とその種類は実に多種多様と言えるが、ひとつだけ確実なことがある。

それは、「何型であれ、自分の血液型を把握している」という点だ。

そしてもう一つ、「血液型によって、何らかの話題を生むことができる」という点だ。

僕は背格好こそ恵まれているとは言い難いけれど、運良く20歳となる現在まで大きな怪我や病気をすることなく育った。これは間違いなく幸せなことだ。幸せなことなんだけど、

その結果、何が起きたか。

僕は自分の血液型を知らない。

おかしいとは思うんだ。別に周りの友人たちは、大きな怪我や病気をしたから、自分の血液型を把握しているわけではないだろう。

物心ついたとき、もしくは「血液型」という概念を学んだときにはもう、自分の血液型を知っていたに違いない。

そして、今まで幾度と無く「当たり障りの無い、それでいて外しにくい話題」として血液型の話をしてきたのだろう。

そしてそこにはいつも、話題に入ることができない僕がいたことを君は憶えているだろうか。

僕は自分の血液型を知らない。

少し格好良いかもしれない。話せば驚かれもする。

ただ、話題には入ることができない。

20年もの間、自分の中に手を付けていない領域があるのだ。

不思議な感覚としか言いようが無い。けれど今さら調べようとも思えないのだ。

血液型を知らないこと自体が自分の血液型のような、大げさに言えばアイデンティティーになっているのだ。

僕は考える。

血液型が「わからない」ことはもう良いとして、なぜ「わからない」のだろうか。

友人の話もそうだけれど、普通であれば、生まれた直後に何らかのチェックが入るに違いないのだ。

ならば「わからない」理由を尋ねれば良いのではないだろうか。自分の誕生に立ち会っていた人間を僕は知っている。ありていに言えば「母」である。

なぜ、僕は自分の血液型を知らないのだろう。

母曰く「わからない」。

じゃあ、もうどうしようもないな、と僕は思った。

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