カラマーゾフ撃破 (#472)
遂に『カラマーゾフの兄弟』を読み終わった。
去年の10月から読んでいたので約半年のプリズン、端的に言ってキツかった。
この小説のキツいところとして一般に文章量や宗教絡みの馴染みの無さが挙げられるけれど、
僕の印象としては登場人物が全員もれなく精神異常者だったのが1番キツかった。
基本的に3兄弟+父親と彼らの恋人がヒステリックに金や愛を奪い合う話なのだけれど、
ところどころで発狂が入るので、読んでいるこっちは「人間とはかくも浅ましい生き物……」みたいなラスボスの思想になってくる。
愛人を父親に取られると思った長男が、「(いないのに)あの娘を出せ!!!」とか言って乗り込んできて父親をボコボコに殴ったり、
(そもそも長男は奥さんが別にいる)
その奥さんも浮気を半ば容認していたのに、夫が殺人罪(やってない)に問われたら急に「私見たのよ!!彼が殺したのよ!!!」とか発狂して恨みを最悪の形で返してきたり、
金を貸してくれるって話で借りに行ったら「金鉱!金鉱に行けばいい!!金鉱に行けば確実に儲かるし金は貸したも同然!!!」とか言われるし、全部狂っている。
そして本筋がおもしろかったかと言われると、文章量で換算して普通の文庫5冊分のおもしろさは確実に無い。
無いのだけれど、時代を越えて読まれる本ってこういうことなのかなという要素は確かに感じる。まあ古典。
何より意味不明なのは、二部構成の一部だけ書いてドストエフスキーが死んでしまったので、これだけ読まされて微妙に未完という事実だ。
読み終わったあとに未完であることを知ったときは流石に狼狽えたね。
いちおう第一部完にはなっているけれど、いや、もうちょっと頑張って欲しかった。
あ、オススメはしません。
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